- 現代貨幣理論MMTについてざっくり知りたい人
- 日本の財政赤字は大丈夫なのか不安な人
- 債券に投資しようと思ってるがデフォルトのリスクを恐れている人
今回は、近年話題になっている現代貨幣理論のMMTについてざっくり紹介していこうと思います。
日本では、現在1,000兆円規模の財政赤字が話題になっていますよね。
従来の経済学だと、将来世代の負担が増加すると言われていますがMMTではむしろ問題ないという考えです。
MMTによると、財政赤字はむしろ国にとってプラスに働くというのです。
それは一体どういう考え方なのか。
わかりやすく解説していこうと思います!
現代貨幣理論MMTの概要
まずは、ざっくりと現代貨幣理論MMTの概要を紹介していこうと思います。
①:MMTをざっくりというと
まず、MMTをざっくりいうと、以下のようになります。
自国通貨を発行する政府は、高インフレの懸念がない限り財政赤字を心配する必要はないのだから、完全雇用の実現に向けて積極的な財政政策を行うべきである。
これを初めて聞くと、びっくりしますよね。
財政赤字を心配する必要がない・・・?
本当にそうなのでしょうか・・・?
どうして財政赤字が望ましいのか
なぜ、財政赤字を心配するどころか、望ましいのか。
それは、自国通貨を発行している国にしかできないことです。
①:政府が財政支出するときのお金の動き方
まず、ざっくりと政府が財政支出をするときのお金の動き方について解説していこうかと思います。
今回は、わかりやすく政府が戦闘機を民間企業から購入する場合を考えていきます。
※今回はわかりやすく過程を省略して解説します。興味をもたれた方はこちらの本がわかりやすくておすすめです。
- 政府が100億円で戦闘機をA社から購入
- A社はB銀行と取引をしている
取引の流れとしては以下のようになります。
- 政府が民間銀行に国債を売却する(戦闘機購入費用)
- 政府は企業Aに小切手で支払い
- 企業Aは銀行Aに小切手の代金取り立てを依頼
- 銀行Aは企業Aに代金を支払い、代金の取り立てを日銀に依頼
- 国債売却で得られた政府の日銀当座預金がA銀行の当座預金に移る
難しくてわからなくなってしまう人も多いかもしれません。
でも、大事なことは政府が資金を支払ったことによって、A銀行の当座預金と企業Aの当座預金が増加したということです。
このことが、財政赤字が問題ないと言われる大きな理由でもあります。
②:政府が財政赤字だと民間は黒字になる
では、なぜ財政赤字だと民間は黒字になるのか。
それは、マクロ会計という一国全体の会計を考えるとすぐにわかります。
マクロ会計では以下の絶対的原則が存在しています。
政府財政赤字 = 民間純貯蓄
つまり、財政赤字になると民間貯蓄が増加するということです。
そのため、雇用が増加していき国としてはむしろ大歓迎ということになります。
日本では現代貨幣理論MMTは実現可能なのか
理論としてはなんとなく分かったけど、本当に実現可能なの?ということが気になるかと思います。
僕自身としては、むしろ実現すべきだと考えています。
①:日本は自国通貨建ての国である
理由のひとつ目としては、日本が自国通貨を発行しているということです。
そして、日本国債も自国通貨建てなので国債を返還できないといった問題もおきません。
(日本円を新たに発行すれば問題ないため)
支出が必要になったらとにかく国債などを発行してしまえば、全てが解決できてしまいます。
②:20年近く財政赤字を続けているがインフレになっていない
そして、MMTにおいて一番懸念されているのがインフレです。
ですが、日本はMMTと同じような政策を長年続けていますがインフレになっていませんよね。
インフレの心配がない限り、積極的な財政赤字をするべきというのがMMTの主張なので、インフレの心配が今のところないということはまだまだ財政赤字を続けていくべきなのかなと思っています。
気になった方はぜひ本で読んでみてください
今回は現代通貨理論MMTについて紹介しました。
初めて名前を聴いた人も少なくないかと思いますが、日本の財政赤字は大丈夫なのか気になる方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
以上:現代貨幣理論MMT|日本が財政赤字でも破綻しない理由を紹介しますでした。